3D対応ハード/サービスも加速
ソニー、新経営戦略を発表 − 「独自デバイス次世代ディスプレイ」や「進化するテレビ」を発売
ソニー(株)は、2012年度までの新経営戦略を発表した。同社では本日、この新経営戦略に関する説明会を開催。会長 兼 社長 CEOのハワードストリンガー氏を始めとした首脳陣が出席し、経営戦略について語った。
同社では今年4月に新経営体制を発足させ、主にエレクトロニクスとネットワークサービス事業で収益力強化を図ってきた。
2009年度はソニーグループ全体で前年度比3,300億円の費用削減を計画しているが、今年度上半期で既に8割程度の削減を達成することができたとしている。さらに、年末から2010年にかけて強力な商品群を市場に投入していく体制も整ったと説明している。
同社は、2012年度までに営業利益率5%、株主資本利益率(ROE)10%を達成することを目標とし、「トランスフォーメーション(変革)」を実施するという。
こうした変革について同社では、マーケットの変化に対して迅速に対応したり、顧客視点でのモノ創りなどを行うためのビジネスプロセスの改革が目的であると説明。「生産・物流・調達・サービス」「研究開発・共通ソフトウェア」「販売・マーケティング」という3点について共通機能の横断的なプラットフォーム化が重要だと説明した。
トランスフォーメーションや費用削減については、同社副社長でコンスーマープロダクツ&デバイスグループプレジデントの吉岡浩氏が、基幹機能について横串の改革をしてきたことなどに言及。
吉岡氏は、サプライチェーンの改善のため10月から物流部門を新設していることなどを改めて紹介し、「これらがキャッシュフローの改善に大きく寄与した」とコメント。2万人規模の人員削減のメドも立っていることや、事業所再編も当初のプランよりもさらに踏み込んで行っていることなども説明した。
資材調達コストを2008年度比20%減として約5,000億円の削減を目指すこと、物流費も昨年度比25%減で約500億円の削減を目指すことなどを明かし、「強いプラットフォームでビジネスプロセスを早くまわしていく体制を構築してきたい」と語った。
また、ストリンガー氏はトランスフォーメーションが既に効果を上げてきているとも語り、第1・第2四半期業績が期初見通しに比べ改善したことも説明。2009年度の営業損失見通しを1,100億円から600億円に上方修正したことも明かした。
液晶テレビ事業では「リーディングポジション復権」のため、2010年度の黒字化と、2012年度に全世界マーケットシェア20%(台数ベース)達成を目指すとしている。さらに、既存テレビの事業モデルを超えた新たな収益モデル創出を目指し、「ネットワーク経由で新たなアプリケーションを提供する『進化するテレビ』の導入」と「独自デバイスを用いた次世代ディスプレイの開発」も行うとしている。
液晶テレビ事業については、同社SVP コンスーマープロダクツ&デバイスグループ ホームエンタテインメント事業部長の石田佳久氏が「AVとテレビでより統一感のあるデザインにすることができたり、同じ時期に同じデザインテイストで商品出荷が可能になった」と横串の改革の効果を説明。
また「LEDバックライトのテレビとして“ZX1”を投入したが、ラインナップ展開が不十分だった面もある。この点を反省し大幅にラインナップを拡充していく」とコメント。3D対応商品を来年度以降に展開していくことなどにも改めて触れ、構造改革などと合わせて商品力アップも図っていき黒字化を目指すと説明した。
加えて、テレビについては新興国市場へも注力。OEMやODMの比率を来年度は40%強まで引き上げる予定であることを明かし、これらを活用して低価格帯の商品展開を行っていくことも説明する。
「進化するテレビ」については、「これまでのテレビとはまったく概念が異なる商品だ」とコンセプトを紹介。具体的には「これまでの概念を覆す視聴スタイル」「アプリダウンロードによる拡張性」「快適な操作性」「QWERTYキー付きインプットデバイス」「マルチタスク」の5つの特徴を掲げた。「インターネットや家庭内ネットワークへの接続は当たり前になってきている。放送やパッケージメディア、インターネットなどを一元的に管理して誰でも簡単に楽しんで頂けるような商品を提案していきたい」とした。
なお、「独自デバイスを用いた次世代ディスプレイの開発」については、「イノベーティブな高付加価値商品へのチャレンジを継続していく」とコメント。具体的な内容については明言を避けたが、「有機EL以外にもいくつか進めている。非常にエキサイティングなデバイスを開発している」と自信の一端をのぞかせた。
ゲーム事業は2010年度の黒字化を目標とし、ハード/ソフトの販売拡大と、Playstation Network(PSN)の拡充を行うほか、コストダウンなども積極的に図っていく。
ゲーム事業を担当する同社EVP ネットワークプロダクツ&サービスグループプレジデントの平井一夫氏は「PlayStation 3には5つのアドバンテージがある」とコメント。「モーションコントローラーの採用」「ブルーレイディスクドライブの搭載」「PlayStation Network」「PSPとの連携」という従来の特徴に加え、「3Dゲームへの対応」を明らかにした。
3Dゲームへの対応では、来年中に3Dに対応した作品を発売すると発表。さらに、発売済みのPS3もファームウェアアップデートで3D対応を可能にするとした。
なお、3Dゲームの発売時期については「来年投入する3D対応テレビに合わせて発売する」とコメント。サードパーティの3Dゲーム制作も積極的にサポートしていくとした。
3D関連では、映像制作からディスプレイ、ゲームに至るまで幅広い商品を取りそろえるとしており、2010年度内に3D液晶テレビや3D対応BD機器、PS3での3Dゲーム導入を行っていく。2012年度にはコンテンツを除いた3D関連商品の売上げ1兆円を目指すとし、ハード/ソフトの統合による新たなユーザーエクスペリエンスを提供していくとしている。
ネットワーク対応商品やサービスも拡充する予定。現在3,300万以上のアカウント数を持つPSNを基盤とし、「今後、新モバイル製品やその他のコンスーマーエレクトロニクスを含めた魅力的なハードウェアと連携したネットワークサービス事業を拡充」すると説明し、「Sony Online Service(仮称)」を立ち上げることを発表。
同サービスは、テレビのほかにもPS3やウォークマンなど様々なデバイスから利用可能なクラウドサービス。例えば、外出先で携帯電話を使って購入した映画などのコンテンツを購入すると自動的にダウンロードされ、自宅では“BRAVIA”でそのコンテンツを楽しむといったような使いかたできるようになるのだという。
同社では同サービスを通じてネットワークサービスの市場拡大を目指すとし、2012年度までに年間3,000億円規模の売上を目指すという。また、ソニー・エリクソンとの連携強化や、電子書籍のハード/コンテンツの成長加速も施策としてあげている。
環境負荷低減への試みでは、2015年度までに、製品の一台あたり消費電力を2008年度比で30%削減することを目指すほか、ソニーグループ全体の事業所から排出されるCO2換算温室効果ガスの絶対量を、2015年度までに2000年度比で30%削減することを目標にしていく。
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.テレビのOEMなどを40%まで引き上げるという話だが、どのように進めていくのか。また、そうした際に現在の社員数が合理的な数であると思うか。
A.社員数は自然と必要な規模になる。必要であれば合理化などもも考えていく。また、40%という数字は妥当な目標だと思う。
Q.テレビの黒字化やハードとソフトの融合については、両方とも10年来の課題になっていると思う。過去10年間成果が出てない理由についてどう捉えているか。
A.我々は何をやるかわかっている。プラットフォームづくりをするのは簡単でないがやってきた。また、世界不況にも対応を示してきた。PSNも3,300万アカウントという状況だ。目標はすぐにできることではないが、過去は別の世界。ソニーは新しい世界に向かっている。
また、新しいマネージメント体制の中で様々な商品を差異化していくためにネットワークサービスについて全社的に議論している。これは以前とはまったく違う状況だ。
テレビについては、去年1年間のテーマはトリニトロン文化の改革だった。シャーシの統合や組織の整備を進めてきた。現在の課題は、いかに今までのビジネスモデルの変革にチャレンジしていくかだ。
ソフトハードの融合は、3Dという分かりやすいテーマを捉えている、この旗頭のもとに全員が同じ方向に向かって進んでいけるし、非常に盛り上がっている。
テレビについては、コストダウンは予定通り進んでいる。だが、誤算としてはプライスの見込みが甘かったかなと感じている。
Q.今年の状況や需要をどのように受け止めているのか。
A.年末に向けては、消費者がバーゲンを求めていくのか、新製品を買い続けるのか予断を許さない。しかし、中国などではネガティブな雰囲気はない。BRICsを強調しているのも自明の理だ。また、今は西欧などもそれほどネガティブではなく、ソニーとしては見守っているという状況だ。
Q.PSP供給について、年末にむけて状況はどのようになっているのか。
A.PSP goは反響が大きくリテールも好調。また、PSPも好調。お互いに市場を食い合うのではないかと思ってもいたが、実際は多くのテリトリーで追加効果があった。予想通りの事業が起ち上がっている。また供給については全力で取り組んでおり、ストック不足はないと思っているし、自信がある。
Q.ソニーオンラインサービスについてもっと詳しく教えて欲しい。他社との関係性はどうなるのか?
A.こうしたサービスでは必ずクローズかオープンかという議論が出てくるが、現在のPSNで言えばPS3とPSPを対象にしたクローズドなものになっている。ソニー オンラインサービスを考えた場合、ソニーの商品の差異化につながるかどうか重要だ。もちろん将来的にはオープンにしていくことも考えられる。ただ、ソニー製品で接続する場合とそうでない場合に、ユーザーが致命的な不利益を受けない程度の差異化などもあり得る。
Q.「新しいディスプレイ」については、どれくらいの投資が必要だと考えているか。
A.予算などはこれから検討する。
Q.テレビの黒字化について、今後の価格下落をどの程度に見ているか
A.具体的には言いづらいが、過去のトレンドから見るとだいたいのパーセントは分かるのでそれに合わせた設定をしている。それに加えて市場のバランスなども見ている。価格変化に対して迅速なアクションをとれるようにすることで体力強化ができると思っている。そこを強化している最中だ。サプライチェーンでも色々な改革をしている。基礎体力は相当ついてきたのではないかと思っている。
Q.現体制での業務の進捗状況と今の課題をハワード氏はどう見ているのか。
A.順調に進んでいると思う。工場の閉鎖など難しいことも効率的に行ってきた。成長戦略も策定したしハードウェアの手直しもした。中核はハードウェアをよくすること。それをバックアップするのがサービス。変革には満足している。
同社では今年4月に新経営体制を発足させ、主にエレクトロニクスとネットワークサービス事業で収益力強化を図ってきた。
2009年度はソニーグループ全体で前年度比3,300億円の費用削減を計画しているが、今年度上半期で既に8割程度の削減を達成することができたとしている。さらに、年末から2010年にかけて強力な商品群を市場に投入していく体制も整ったと説明している。
同社は、2012年度までに営業利益率5%、株主資本利益率(ROE)10%を達成することを目標とし、「トランスフォーメーション(変革)」を実施するという。
こうした変革について同社では、マーケットの変化に対して迅速に対応したり、顧客視点でのモノ創りなどを行うためのビジネスプロセスの改革が目的であると説明。「生産・物流・調達・サービス」「研究開発・共通ソフトウェア」「販売・マーケティング」という3点について共通機能の横断的なプラットフォーム化が重要だと説明した。
トランスフォーメーションや費用削減については、同社副社長でコンスーマープロダクツ&デバイスグループプレジデントの吉岡浩氏が、基幹機能について横串の改革をしてきたことなどに言及。
吉岡氏は、サプライチェーンの改善のため10月から物流部門を新設していることなどを改めて紹介し、「これらがキャッシュフローの改善に大きく寄与した」とコメント。2万人規模の人員削減のメドも立っていることや、事業所再編も当初のプランよりもさらに踏み込んで行っていることなども説明した。
資材調達コストを2008年度比20%減として約5,000億円の削減を目指すこと、物流費も昨年度比25%減で約500億円の削減を目指すことなどを明かし、「強いプラットフォームでビジネスプロセスを早くまわしていく体制を構築してきたい」と語った。
また、ストリンガー氏はトランスフォーメーションが既に効果を上げてきているとも語り、第1・第2四半期業績が期初見通しに比べ改善したことも説明。2009年度の営業損失見通しを1,100億円から600億円に上方修正したことも明かした。
液晶テレビ事業では「リーディングポジション復権」のため、2010年度の黒字化と、2012年度に全世界マーケットシェア20%(台数ベース)達成を目指すとしている。さらに、既存テレビの事業モデルを超えた新たな収益モデル創出を目指し、「ネットワーク経由で新たなアプリケーションを提供する『進化するテレビ』の導入」と「独自デバイスを用いた次世代ディスプレイの開発」も行うとしている。
液晶テレビ事業については、同社SVP コンスーマープロダクツ&デバイスグループ ホームエンタテインメント事業部長の石田佳久氏が「AVとテレビでより統一感のあるデザインにすることができたり、同じ時期に同じデザインテイストで商品出荷が可能になった」と横串の改革の効果を説明。
また「LEDバックライトのテレビとして“ZX1”を投入したが、ラインナップ展開が不十分だった面もある。この点を反省し大幅にラインナップを拡充していく」とコメント。3D対応商品を来年度以降に展開していくことなどにも改めて触れ、構造改革などと合わせて商品力アップも図っていき黒字化を目指すと説明した。
加えて、テレビについては新興国市場へも注力。OEMやODMの比率を来年度は40%強まで引き上げる予定であることを明かし、これらを活用して低価格帯の商品展開を行っていくことも説明する。
「進化するテレビ」については、「これまでのテレビとはまったく概念が異なる商品だ」とコンセプトを紹介。具体的には「これまでの概念を覆す視聴スタイル」「アプリダウンロードによる拡張性」「快適な操作性」「QWERTYキー付きインプットデバイス」「マルチタスク」の5つの特徴を掲げた。「インターネットや家庭内ネットワークへの接続は当たり前になってきている。放送やパッケージメディア、インターネットなどを一元的に管理して誰でも簡単に楽しんで頂けるような商品を提案していきたい」とした。
なお、「独自デバイスを用いた次世代ディスプレイの開発」については、「イノベーティブな高付加価値商品へのチャレンジを継続していく」とコメント。具体的な内容については明言を避けたが、「有機EL以外にもいくつか進めている。非常にエキサイティングなデバイスを開発している」と自信の一端をのぞかせた。
ゲーム事業は2010年度の黒字化を目標とし、ハード/ソフトの販売拡大と、Playstation Network(PSN)の拡充を行うほか、コストダウンなども積極的に図っていく。
ゲーム事業を担当する同社EVP ネットワークプロダクツ&サービスグループプレジデントの平井一夫氏は「PlayStation 3には5つのアドバンテージがある」とコメント。「モーションコントローラーの採用」「ブルーレイディスクドライブの搭載」「PlayStation Network」「PSPとの連携」という従来の特徴に加え、「3Dゲームへの対応」を明らかにした。
3Dゲームへの対応では、来年中に3Dに対応した作品を発売すると発表。さらに、発売済みのPS3もファームウェアアップデートで3D対応を可能にするとした。
なお、3Dゲームの発売時期については「来年投入する3D対応テレビに合わせて発売する」とコメント。サードパーティの3Dゲーム制作も積極的にサポートしていくとした。
3D関連では、映像制作からディスプレイ、ゲームに至るまで幅広い商品を取りそろえるとしており、2010年度内に3D液晶テレビや3D対応BD機器、PS3での3Dゲーム導入を行っていく。2012年度にはコンテンツを除いた3D関連商品の売上げ1兆円を目指すとし、ハード/ソフトの統合による新たなユーザーエクスペリエンスを提供していくとしている。
ネットワーク対応商品やサービスも拡充する予定。現在3,300万以上のアカウント数を持つPSNを基盤とし、「今後、新モバイル製品やその他のコンスーマーエレクトロニクスを含めた魅力的なハードウェアと連携したネットワークサービス事業を拡充」すると説明し、「Sony Online Service(仮称)」を立ち上げることを発表。
同サービスは、テレビのほかにもPS3やウォークマンなど様々なデバイスから利用可能なクラウドサービス。例えば、外出先で携帯電話を使って購入した映画などのコンテンツを購入すると自動的にダウンロードされ、自宅では“BRAVIA”でそのコンテンツを楽しむといったような使いかたできるようになるのだという。
同社では同サービスを通じてネットワークサービスの市場拡大を目指すとし、2012年度までに年間3,000億円規模の売上を目指すという。また、ソニー・エリクソンとの連携強化や、電子書籍のハード/コンテンツの成長加速も施策としてあげている。
環境負荷低減への試みでは、2015年度までに、製品の一台あたり消費電力を2008年度比で30%削減することを目指すほか、ソニーグループ全体の事業所から排出されるCO2換算温室効果ガスの絶対量を、2015年度までに2000年度比で30%削減することを目標にしていく。
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.テレビのOEMなどを40%まで引き上げるという話だが、どのように進めていくのか。また、そうした際に現在の社員数が合理的な数であると思うか。
A.社員数は自然と必要な規模になる。必要であれば合理化などもも考えていく。また、40%という数字は妥当な目標だと思う。
Q.テレビの黒字化やハードとソフトの融合については、両方とも10年来の課題になっていると思う。過去10年間成果が出てない理由についてどう捉えているか。
A.我々は何をやるかわかっている。プラットフォームづくりをするのは簡単でないがやってきた。また、世界不況にも対応を示してきた。PSNも3,300万アカウントという状況だ。目標はすぐにできることではないが、過去は別の世界。ソニーは新しい世界に向かっている。
また、新しいマネージメント体制の中で様々な商品を差異化していくためにネットワークサービスについて全社的に議論している。これは以前とはまったく違う状況だ。
テレビについては、去年1年間のテーマはトリニトロン文化の改革だった。シャーシの統合や組織の整備を進めてきた。現在の課題は、いかに今までのビジネスモデルの変革にチャレンジしていくかだ。
ソフトハードの融合は、3Dという分かりやすいテーマを捉えている、この旗頭のもとに全員が同じ方向に向かって進んでいけるし、非常に盛り上がっている。
テレビについては、コストダウンは予定通り進んでいる。だが、誤算としてはプライスの見込みが甘かったかなと感じている。
Q.今年の状況や需要をどのように受け止めているのか。
A.年末に向けては、消費者がバーゲンを求めていくのか、新製品を買い続けるのか予断を許さない。しかし、中国などではネガティブな雰囲気はない。BRICsを強調しているのも自明の理だ。また、今は西欧などもそれほどネガティブではなく、ソニーとしては見守っているという状況だ。
Q.PSP供給について、年末にむけて状況はどのようになっているのか。
A.PSP goは反響が大きくリテールも好調。また、PSPも好調。お互いに市場を食い合うのではないかと思ってもいたが、実際は多くのテリトリーで追加効果があった。予想通りの事業が起ち上がっている。また供給については全力で取り組んでおり、ストック不足はないと思っているし、自信がある。
Q.ソニーオンラインサービスについてもっと詳しく教えて欲しい。他社との関係性はどうなるのか?
A.こうしたサービスでは必ずクローズかオープンかという議論が出てくるが、現在のPSNで言えばPS3とPSPを対象にしたクローズドなものになっている。ソニー オンラインサービスを考えた場合、ソニーの商品の差異化につながるかどうか重要だ。もちろん将来的にはオープンにしていくことも考えられる。ただ、ソニー製品で接続する場合とそうでない場合に、ユーザーが致命的な不利益を受けない程度の差異化などもあり得る。
Q.「新しいディスプレイ」については、どれくらいの投資が必要だと考えているか。
A.予算などはこれから検討する。
Q.テレビの黒字化について、今後の価格下落をどの程度に見ているか
A.具体的には言いづらいが、過去のトレンドから見るとだいたいのパーセントは分かるのでそれに合わせた設定をしている。それに加えて市場のバランスなども見ている。価格変化に対して迅速なアクションをとれるようにすることで体力強化ができると思っている。そこを強化している最中だ。サプライチェーンでも色々な改革をしている。基礎体力は相当ついてきたのではないかと思っている。
Q.現体制での業務の進捗状況と今の課題をハワード氏はどう見ているのか。
A.順調に進んでいると思う。工場の閉鎖など難しいことも効率的に行ってきた。成長戦略も策定したしハードウェアの手直しもした。中核はハードウェアをよくすること。それをバックアップするのがサービス。変革には満足している。